Peter-Weylの定理とデルタ関数part2
part1の続き。part1では、Peter-Weylの定理を紹介しました。今回は、その証明をデルタ関数を使って行おうと思います。そのためにデルタ関数を導入しましょう。畳み込みから始めます。
として、
の畳み込み
を
で定めます。
は、この'積'について-代数になるんです。単位元は何かと言いますと、それが
デルタ関数。定義は、
です。
で、畳み込みを何で持ち出したのかということですが、畳み込みで表現の重複度がわかります。
(命題)
を、の表現、特には既約表現とします。さらにそいつらの指標をとします。そのとき、におけるの重複度は
に一致する。
では、これを使ってPeter-Weylの定理を証明してみましょう。使うのは上の命題の他に、次の事実だけです:
事実:左正則表現の指標はデルタ関数である。
この事実は、当たり前といえば当たり前ですよね。では、大詰め。
(Peter-Weylの定理の証明)
を既約表現とする。その指標をとすると
左正則表現のの重複度は、命題及び事実よりに等しい。(証明終)