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Peter-Weylの定理とデルタ関数part2

part1の続き。part1では、Peter-Weylの定理を紹介しました。今回は、その証明をデルタ関数を使って行おうと思います。そのためにデルタ関数を導入しましょう。畳み込みから始めます。
{\displaystyle V:=\{ \phi:G \rightarrow {\mathbb C} \}}として、
{\displaystyle \psi ,\phi \in V}の畳み込み
{\displaystyle \psi \ast \phi \in V}
{\displaystyle \psi \ast \phi (g):=
\frac{1}{\# G}\sum_{g_1g_2=g}\psi (g_1)\phi(g_2)}
で定めます。
{\displaystyle V}は、この'積'{\displaystyle \ast}について{\displaystyle {\mathbb C}}-代数になるんです。単位元は何かと言いますと、それが
デルタ関数。定義は、
{\displaystyle \delta (g):=
\begin{cases}\# G & (g=1)\\ 0 & otherwise \end{cases}}
です。
で、畳み込みを何で持ち出したのかということですが、畳み込みで表現の重複度がわかります。

(命題)
{\displaystyle \rho _i :G\rightarrow GL(V_i)  (i=1,2)}を、{\displaystyle G}の表現、特に{\displaystyle \rho_2}は既約表現とします。さらにそいつらの指標を{\displaystyle \chi _i  ( i=1,2)}とします。そのとき、{\displaystyle \rho_1}における{\displaystyle \rho_2}の重複度は
{\displaystyle (\chi_1 \ast \chi_2)(1)}に一致する。

では、これを使ってPeter-Weylの定理を証明してみましょう。使うのは上の命題の他に、次の事実だけです:

事実:左正則表現の指標はデルタ関数である。

この事実は、当たり前といえば当たり前ですよね。では、大詰め。
(Peter-Weylの定理の証明)

{\displaystyle \rho}を既約表現とする。その指標を{\displaystyle \chi}とすると
左正則表現の{\displaystyle \rho}の重複度は、命題及び事実より{\displaystyle (\delta \ast \chi )(1)=\chi(1)={\rm deg} \rho}に等しい。(証明終)