一日一膳(当社比)

RとJavaと時々数学

Peter-Weylの定理と、デルタ関数part1

今期開講されている群論の授業でのこと。群論の授業に来ていた物理科の学生からの、面白い指摘があったから書いてみようと思います。テーマは、有限群の表現に関するもの。どういう指摘かというと、デルタ関数使うと、Peter-Weylの定理が出せるという指摘。準備に取り掛かります。 { \displaystyle
G
} が有限群のとき、 左正則表現を次で定義する: {\displaystyle V:=\{ \phi:G\rightarrow {\mathbb C}\}}上の表現で、 {\displaystyle \phi \in V ,g \in G }に対して、 {\displaystyle g.\phi (-):=\phi (g^{-1}(-))} で、{ \displaystyle
G} の表現が定まる。さて、主役であるPeter-Weylの定理は次の定理だ。

(Peter-Weyl) 左正則表現は、各既約表現{\displaystyle \rho}を、重複度{\displaystyle {\rm deg }\rho}だけ含む。

有名な系として、表現の次元を勘定すると得られるのが次の等式:

(Burnside) { \displaystyle G } が有限群のとき、

{ \displaystyle  \sharp G = \sum_{\rho} ({\rm deg } \rho) ^2 } なお、ここで和気号はすべての既約表現を渡ります。

さて、このPeter-Weylの定理が、デルタ関数の考え方で導けるというのが授業に来ていた物理屋さんの指摘なのですが、詳細は次回。